「ルート確保お願いします!」
この一言に、心臓がドキドキ…新人看護師なら誰もが一度は経験するプレッシャーの瞬間ですよね。
静脈路確保(Vルート)は、点滴や薬剤投与のために欠かせない基本技術。
でも、簡単そうに見えて、実はとても奥が深くて難しい…。
今回は、新人ナースの皆さんが「できるかも!」と自信を持てるようになるための
静脈路確保のテクニック・よくある失敗・成功のコツを、丁寧に解説します!
■1. まずは準備が9割!事前観察のポイント
✅ 観察すべき3つのポイント
- 血管の走行・太さ・浮き具合
- 皮膚の弾力や硬さ(浮腫や硬結がないか)
- 過去のルート確保部位(リストバンド・カルテで確認)
患者さんの血管は毎回同じように見えて違うもの。
とくに高齢者や脱水のある方は、細くて脆い血管が多いです。
観察だけで「あ、これは難しいな」と判断できるようになることが上達の近道!
■2. 使いやすい血管の見極め方
✅ 静脈確保しやすい部位ベスト3
- 前腕の橈側皮静脈(とうそくひじょうみゃく)
- 肘正中(ちゅうせいちゅう)静脈の分岐部
- 手背の太めの血管(ただし動きやすく注意)
💡肘の真ん中の太い血管は一見取りやすく見えますが、屈曲してルートが抜けやすいので、点滴時間が長い場合は避けるのが無難です。
■3. 針を刺す角度とスピード感がカギ!
✅ 基本の刺入角度
- 最初は20〜30度くらいの角度で刺入
- 血管に入った感触があれば浅くして進める
💡「皮膚を突き破る勢いが強すぎて血管を突き抜けてしまった…」というのは新人あるある。
針先が血管内に入ったら、力を抜いて慎重に進めましょう。
■4. うまくいかない時の“あるあるミス”と対策
よくある失敗 | 原因と対策 |
---|---|
血管に刺さっても血液が返ってこない | 針が浅すぎる or 血管の外壁に当たっている可能性。角度を変えて調整 |
血管に入ってもスムーズに進まない | 血管が屈曲している or 針先が血管壁を圧迫。無理に進めない |
途中で血管から外れて腫れてしまった | 動揺や焦りで針がズレた可能性。まずは落ち着いて、すぐに止めて圧迫 |
💡失敗しても落ち込まないで!
先輩ナースでも100%成功するわけじゃありません。
「患者さんの体を大切に扱う」姿勢を持つことが一番大切です。
■5. 成功率アップの小ワザ&現場のリアル
🔹テクニック①:患者さんの手を温める
血管を浮きやすくするには「温め」が効果的。
湯たんぽ・ホットパックで前腕を2〜3分温めるだけでも成功率がぐっと上がります。
🔹テクニック②:駆血帯のタイミング
駆血帯は「針を刺す直前に」つけ、「ルート確保できたらすぐ外す」のが基本。
締めすぎると血管が怒張しすぎて見えにくくなってしまうことも。
🔹テクニック③:患者さんへの声かけ
「ちょっとチクッとしますね」と伝えるだけで、患者さんも自分も落ち着くことができます。
怖がっている方には「深呼吸しましょう」と促すのも◎
■6. 最後に|新人ナースのあなたへ
静脈路確保がうまくいかなくて落ち込むこともあるかもしれません。
でも、それは誰もが通ってきた道。
先輩たちだって、最初は震える手で「すみません…」と謝りながら刺していたんです。
一番大切なのは、「安全に、患者さんに安心してもらうために努力する姿勢」。
少しずつ経験を積めば、必ず自信がついてきます。
失敗しても、「その経験こそが自分の力になる」。
今日の練習が、明日の自分を助けてくれますよ。
📌この記事のまとめ
- 静脈路確保は「観察」が9割
- 血管選びと刺す角度が重要
- 失敗してもあせらずリカバリーを
- 患者さんへの丁寧な声かけも忘れずに!
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